不眠の改善には睡眠の質がポイント
睡眠のお悩みを改善するには、眠る時間の長さよりも眠りの質を向上させることが大切になってきます。このページでは、質の高い睡眠をとるためにはどうしたら良いかについて、ご紹介していきます。
私たちが満足できる睡眠をとるためには、一体どのくらいの時間が必要なのでしょうか?昔から「1日8時間」というのが理想的な睡眠時間であると言われていますが、実はこの数字には医学的な根拠はありません。ですから、8時間眠れなければ体に良くない、ということではないそうです。
そこで、不眠に悩む女性100人に「満足できる睡眠時間」を聞いてみたところ、下記のような結果となりました。やはりここでも、7~8時間を満足できる睡眠時間と回答された方が多く、そのくらい眠れるのが理想とされているようです。2000年にNHKが行った国民生活時間調査によると、日本人の平均睡眠時間が7時間23分でしたので、6~8時間という睡眠時間が、一つの目安となる時間数と言えるでしょう。
たくさん眠るのが良い睡眠とは限らない
不眠のお悩みを解消するためには、たくさん眠れば良いのでしょうか?実は、睡眠時間を長くとったとしても、不眠を解消できるとは限らないのです。睡眠には、眠りの浅い状態の「レム睡眠」と、眠りの深い状態の「ノンレム睡眠」があります。寝ている間この2つが交互に現れるのですが、睡眠時間が長い場合レム睡眠の割合が増えるとされています。すると交感神経の働きが不安定となり、寝ていてもリラックスできない状態となるのです。もちろん、短すぎてもストレスを溜めやすくなり、うつの傾向や免疫力の低下などが懸念されます。つまり、睡眠時間は長くても短くても、それぞれ弊害があるため良い睡眠とはどちらも言いがたいのです。
熟睡できたかどうかで睡眠の質は決まる
不眠の症状を改善するには、質の高い睡眠が必要とされています。しかし、そもそも睡眠の質とは、どのようなことを指すのでしょうか。不眠の症状でよくある「寝たのにスッキリしない」「疲れがとれない」といったものは、睡眠中に脳が休息できていないことが原因とされています。脳が休息するのは、睡眠中に幾度かやってくるノンレム睡眠状態の時です。中でも一番深く眠っている状態である、「熟睡状態」の時に最も休んでいるそうです。睡眠の質が高いと言うことは、睡眠中にこの熟睡状態まで到達し、脳がしっかりと休息できていることを指します。そのため、睡眠の質が不眠の改善に重要とされているのです。
リラックスすることが睡眠の質を高める
睡眠の質が高いということは、睡眠中の熟睡度が高いということです。熟睡できれば脳がしっかり休むことができるので、たとえ短い睡眠時間でも満足できる睡眠をとることが可能なのです。
熟睡状態に入りやすくするためには、まず脳を覚醒させ体を活動状態に導く交感神経から、リラックス状態に導く副交感神経へと移行させる必要があります。睡眠薬や睡眠導入剤で、ほぼ強制的に眠りに導く方法もありますが、できれば自然な形で眠りに入りたいですよね。
薬以外で睡眠の質を高めるには、寝室をリラックスできる環境に整えることや就寝前の適度な運動、食生活の改善、睡眠サプリの活用なども効果的とされています。異常のような方法で、ベッドに入る前にできるだけ心身ともにリラックスできるよう工夫することが、睡眠の質を高めるための第一歩となるようです。
成長ホルモンで美容と健康に良い効果が
質の高い睡眠をとることは、心身ともに良い効果をもたらすことがわかっています。まず脳がしっかりと休息をとれることで、ストレスの緩和が期待できます。目覚めがスッキリするのも、脳がしっかり休めた証拠。日中の作業効率も向上するそうです。また、良い睡眠は成長ホルモンの分泌も促しますので、体の疲労回復や美肌効果・痩身効果なども、嬉しい効果として挙げられています。免疫力もアップするとされていますので、質の高い睡眠には美容と健康、両面にとって嬉しい効果がたくさん得られるのです。