入浴で眠りの質が向上
入浴をすると体が温まって快眠しやすいと言われていますが、眠りの質が高くなる入浴法はあるのでしょうか?こちらでは入浴と睡眠の関係性と、快眠するための入浴法などをご紹介しています。
入浴によって眠りの脳波が発生
夜眠る前にお風呂に入ると「体が温まるから眠たくなる」と言われます。これは体が温まることで、「デルタ波」という眠りの時の脳波が発生することに由来します。ですが、実は科学的な理由から考えてみると、体が温まることだけが理由ではないようです。そこで、不眠症状を持っているお年寄りの入眠に関する研究の結果をご紹介したいと思います。
良好な入眠過程には深部体温の低下が必要と言われている。この現象を利用し,就床時刻の2時間程度前に一旦深部体温を上昇させその後の急峻な低下を誘発することが入眠の促進に効果的であることが知られている。
小林(2002)はこの特性を利用し,就寝2時間前までに終了する身体運動を行い一旦体温を高めれば,その後の体温低下幅が大きくなることで眠気を高め入眠がスムーズになることを示した。
文章中では運動となっていますが、この研究では、就寝時間の2時間前から30分の間に入浴をしたお年寄りの入眠効率が高まったという結果も。温まった体では末梢血管が拡張するため、入浴後は体温が下がりやすくなり、眠りにつきやすくなります。 仕事から帰ってきて、夜眠る前に運動をするのは少し大変でしょうから、やはり気持ちが落ち着く入浴の方が手軽に取り組める入眠法ではないでしょうか。
眠りにつくための入浴なら、お風呂の温度は体温よりも少し高めの40℃前後が、最も体温低下が得られやすく気持ちもリラックスします。体温を下げるためには体の芯まで温まっていないと効果が半減してしまうので、少し長めにお湯につかることをおすすめします。
浴室の照明が白色の場合には、昼光色や間接照明を利用した方が、気持ちがリラックスしやすくなります。ブルーライトは脳を覚醒させる働きがあるので、入浴中のスマホは避けた方が良いでしょう。
入浴が終わって、体温が低下するのが2時間後です。その間は徐々に体温が低下していくように、24℃くらいの室温の部屋で過ごしてください。部屋が温かすぎると体温は低下しませんし、寒すぎると湯冷めするので要注意です。
質の高い眠りにつくためには、ポイントを抑えた入浴がとても大切です。特にシャワー派の方は就寝前の入浴をするだけでも、入眠のしやすさは全く変わってくるでしょう。
また、入浴と快眠のためのサプリメントを併用すれば、その効果はより一層高まります。特にテアニンは睡眠状態を改善させる効果が高く、眠る1時間ほど前にテアニンのサプリメントを飲むと、スムーズに入眠することができ、充分な睡眠時間をとることができるようになると言われています。
眠りたい時間の2時間前に入浴をして、その1時間後にサプリメントを飲むという流れが質の高い眠りには理想的なので、ぜひ試してみてください。