東洋医学の神秘…自然に眠れるツボの不思議
身体は疲れているのに眠れない、いろいろ試してみたけどどうしても眠れない、そんな深刻な不眠にお悩みの方は、一度ツボ押しを試してみると改善するかもしれません。ここでは、眠りやすくなるツボや、押し方のコツを紹介します。
東洋医学では、人体には気力や血液がめぐる経路が備わっていると考えられており、その経路同士が交わっている重要なポイントのことを「経穴」と呼びます。「経穴」は全身に361個も存在するとされていますが、これが私たちが一般的にツボと呼んでいるものの正体です。不眠や寝不足で悩んでいる場合、眠りや休息に関わるツボ押しを試してみましょう。
頭部のツボは、自分の手で気軽に押せて、マッサージ効果も高いのでおすすめです。不眠対策に効果的な3つを紹介します。
百会はその名の通り、たくさんの神経が交わり合うポイントとされるツボです。そのため、あらゆる身体の不調を改善する万能のツボといわれています。頭頂部の中心の少しへこんだようになっているところにあるので、両手で頭を抱えて中指でまっすぐ下に押し込むように刺激しましょう。
神門とは耳の上側のふちに存在するツボで、眠りを誘う副交感神経の働きを活性化させると考えられています。両手の指で左右それぞれの神門を挟んで軽くこするように刺激したり、綿棒などの柔らかく尖ったものでツンツンと刺激したりすると効果的です。
安眠はその名が示す通り、質の良い眠りに効くとされるツボです。耳の裏側~下側にある頭蓋骨の出っ張りから、指1本分ほどうなじ方面に向かった部分にあります。1回10秒ほどを目安に、長めにググっと押し込んでみましょう。
手にも無数のツボが集結しています。「眠れない」と思ったときにすぐに押せるので、代表的な安眠のツボを覚えておきましょう。
合谷は、手の甲の下あたり、人差し指から伸びる骨と親指から伸びる骨の交わるあたりの少し手前にあるツボです。自律神経の働きを調整し、興奮を鎮めてリラックスさせる作用があるとされています。
中衝は、中指の甲側の先端部分に存在する、身体をリラックスさせるツボです。中指の爪の下端部から、ほんの少し親指側にずらした部分にあります。爪などを使って、少し痛いくらいの強さで30秒ぐらいギュッと押し続けましょう。
心包区は、手のひらの中心部分に存在するツボで、押しやすいのが特徴です。自律神経の働きを正常化するのに役立つとされています。反対側の手を使ってゆっくりと優しく揉みほぐしてください。
足は「第二の心臓」という異名を持つほど全身の健康を司る重要な部分です。ツボ押し上級編として、足のツボも知っておきましょう。
足の裏側、かかとの盛り上がりの中心にあるツボです。不眠だけでなく、冷えや足の疲れなどさまざまな症状に効果があるといわれています。手の親指を使ってぐっと押し込みましょう。
足の指を動かしたときに、足の裏の上部中央にできるへこみが湧泉です。身体のエネルギーが湧いてくる源とされているツボで、疲労を回復し体調を整えてくれる効果が期待できます。
ツボ押しは、ポイントを探り当てて正しい箇所を押すことが肝心です。むやみに押すのではなく、自分が「痛気持ち良い」と感じる部位をじっくりと探しましょう。
また、落ち着いてリラックスできる環境を作ることも大切です。お風呂上がりのリラックスできるタイミングや、アロマをたきながら・音楽をかけながらツボ押しを行うと良いでしょう。
効果を早く感じたいからといってツボを押しすぎるのは禁物です。力任せに刺激したり、長時間押し続けたりするとかえって神経がたかぶったり、心身が不調になる原因となったりすることがあります。ツボの付近に傷跡や痛みがあり、押すと痛いという場合には、それらが治癒するまでツボ押しは控えてください。
また、ツボ押しとあわせて睡眠サプリを利用することもおすすめです。睡眠の質を向上させる働きをより高める効果が期待できます。日々の生活の中に取り入れやすいことも嬉しいポイントです。不眠を改善したい方は検討してみてください。