「テアニン」と「グリシン」の副作用について
睡眠サプリの2大成分「テアニン」と「グリシン」には、有効な効果の他に副作用などの心配はないのでしょうか。このページでは、2つの成分の副作用や注意点について、詳しく解説していきます。
サプリメントを活用する時に、心配なのが副作用の問題です。不眠の改善に睡眠サプリを取り入れる前に、2大成分であるテアニンとグリシンに指摘される、副作用や注意点についても知っておきましょう。
テアニンの原料
テアニンの原料となるのは緑茶などの茶葉で、乾燥したものの重量の1~2%を占めているそうです。特に玉露や抹茶など、高級なお茶に多く含まれる特徴があります。
テアニンの副作用
副作用の報告はされていません
これまで、テアニンを摂取した事による深刻な健康被害や副作用は報告されていませんが、シスチン・テアニンを過剰摂取した場合の臨床試験においては、軟便、腹痛、ガスなどの消化器症状が見られたというデータもあります。ただし、いずれの症状も一過性で、軽度もしくは中程度であり、しかもテアニンとの因果関係は認められなかったとのこと。バイタルサインや血液検査、尿検査において異常値は観測されませんでした。
また、テアニン1,000mgを4週間、もしくは2,500mgを4週間連続で摂取するという実験も行われていますが、自覚症状を含めて安全性には問題がないことが確認されています。 [※1]
グリシンの原料
グリシンの原料となるのが、牛肉や豚肉・鶏肉などが持つ動物性タンパク質です。特にゼラチン質の中に多く含まれているのが特徴です。
グリシンの副作用
通常の摂取量であれば問題なし
グリシンは健康を損う恐れのない成分として厚生労働省に認められていますが、食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会の評価によると、鶏に対する過剰摂取実験では中毒症状が現れ、極度の疲憊や昏睡、死亡が見られたというデータもあります。また、ラットを使った毒性実験においては発育遅延などの症状も観測されたとのこと。
ただし、国際機関であるJECFA、EFSAともに、通常の摂取量であれば問題はないと結論付けています。[※2]
[※1]生活衛生 vol52 No.4 229-236(2008)『健常成人を対象とした「シスチン・テアニン食品」の過剰摂取における安全性の検討』[pdf]
[※2]食品安全委員会肥料・飼料等専門調査会『対象外物質評価書 グリシン』[pdf]