熟眠効果を高める作用を持つ食材
「クワンソウ」とは温かい地域で自生している多年草で、熟眠効果があるといわれている食材です。ここではクワンソウが持つ色々な効果や特徴、副作用などを紹介しています。
「クワンソウ」は九州を中心として自生し、沖縄では島野菜として庭や畑で栽培されている多年草です。ここではクワンソウについてまとめてみました。
クワンソウは琉球王朝時代からある歴史の古い植物で、伝統食材として王室料理に使用されていたそう。昔からさまざまな薬効があるといわれており、一般家庭でも食べられていたそうです。
クワンソウは葉や茎、花などさまざまな料理に使えることから、余さず食べられる食材として重宝されています。特に色鮮やかな花弁はてんぷらにして王室に献上されたこともあるとのこと。
クワンソウは沖縄などに自生している中国原産で、ユリ科ワスレグサ属の多年草です。ユリに似た花を咲かせる植物で、伝統野菜として沖縄や石垣島、宮古島などで取り入れられています。 近年になって睡眠関係のサプリメントに取り入れられることが増えた植物なのですが、昔から沖縄では子供の夜泣きや、寝付けない時に「クワンソウを食べるとよく眠れる」と知られていました。ここから、眠り草という意味を持つ方言の「ニーブイグサ」と呼ばれることもあります。
古くから様々な薬効を持つと言い伝えられていたクワンソウの歴史は、非常に長いです。琉球食療法の指導書である御膳本草でも伝統食材としてクワンソウが掲載されているのですが、これが書かれたのは1832年とのこと。この頃にはすでに食材として使われていたことがわかります。
クワンソウに含まれている成分の中で不眠に働きかけてくれるのが「オキシピナタニン」です。具体的には次のような働きがあります。
マウスにオキシピナタニンを与えた研究では、次のように報告されています。
オキシピナタニンには、深い眠りを誘発する働きがあり、より深い眠りを増加させることで、睡眠の質を改善させるということが学会で発表されました。ストレス与えたマウス実験では、投与後3時間までで40分も睡眠時間が増え、ノンレム睡眠が40分も増加したという結果が出ています。
ノンレム睡眠とは深い眠りのこと。睡眠の質が悪い人は浅い眠りであるレム睡眠が多くなっている傾向にありますが、オキシピナタニンを取り入れたマウスは質の良い、深い睡眠が取れているようです。
他にも負担活発に動き回っているマウスがオキシピナタニンを与えられてからは活動量が低下したなどの記録もあるようなので、心身をリラックスさせる働きも期待できるでしょう。 精神が興奮した状態では質の良い睡眠をとることはできません。そういった意味でもクワンソウに含まれているオキシピナタニンの効果に期待できます。
睡眠に働きかけるアイテムとして、睡眠導入薬も代表的です。ですが、睡眠導入薬であるベンゾジアゼピン系薬物の場合は、睡眠中に異常な脳波を示すことがあります。言い換えれば、不自然な眠りだということ。 一方でオキシピナタニンの場合はとても自然な鎮静効果が期待できます。脳波に異常をきたすこともないので、できるだけ自然な眠りにつきたいと思っている場合もオキシピナタニンが含まれるクワンソウを取り入れてみてはどうでしょうか。
ストレスの軽減に効果を発揮し、自律神経の働きを正常に保つ手助けをしてくれる作用も。イライラしやすい方や落ち込みやすい方の気持ちを落ち着かせてくれます。
含有されているアスパラギン酸やリジンの効果として、疲労回復効果や新陳代謝を良くする作用があります。他にも利尿作用やコレステロールを下げるといった健康維持の効果も確認されているとのこと。
クワンソウは、睡眠薬や睡眠導入剤の副作用が心配な場合にも選択されることが多い成分です。沖縄では昔から食材として愛用されていたということからも副作用の心配がないことがわかるでしょう。 実際にクワンソウ食べて副作用が報告されたことはありません。日本食品医薬品安全センターでも試験が行われていますが、こちらも毒性と依存性のどちらも見られなかったため、安心して取り入れられる成分です。[※1]
クワンソウは副作用の心配がない植物ですが、アレルギー体質の方や持病を持っている方は医師または薬剤師に相談した上で取り入れたほうが安心です。 また、クワンソウには興奮を抑える働きが期待できますが、カフェインやアルコール類と一緒にとりいれてしまうとそれらが持つ覚醒作用の方が強くなり、睡眠の質が低下する可能性があるので、気を付けましょう。
摂取する際にはクワンソウ自体を食べるのはなかなか難しいので、サプリメントとして取り入れてみましょう。睡眠改善サプリの中にはクワンソウの成分が含まれているものもあるため、そういったものを取り入れるのがおすすめです。
摂取量についてですが、100ミリグラム以上摂取すると効果が期待できるでしょう。ただし、睡眠薬ではないため、たくさんとればとるほど効果が高まるとは限りません。副作用が報告されていないものの、何でも取りすぎは体に良くない働きをすることがあるので、眠れないからといってサプリメントの量を極端に増やすようなことはしないでください。
サプリメントを取り入れる場合、そのサプリメントに書かれている推奨量を取り入れるのがおすすめ。副作用がないことから睡眠導入剤のひどい副作用に悩んでいる方も睡眠導入剤の代用品として取り入れることがます。もしクワンソウのサプリを取り入れても、不眠を改善できない方は、テアニンや他の成分配合のサプリを使ってみることも1つの手です。自分の症状と成分の組み合わせをよく見て、自分に合った睡眠サプリで不眠を改善していきましょう。