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毎日の寝起きがだるい

原因は「睡眠の質」?

寝起きがだるいと感じている人は、決して少数派ではありません。だるさの原因は「睡眠の質」にあるかもしれません。ここでは、寝起きのだるさにお悩みの方に向け、考えられる原因や改善方法について詳しく解説しています。

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寝起きがだるくて
一日のパワーが湧いてこない…

Hard to heal

睡眠自体に何らかの問題があるのかも

「寝起きがだるい」という症状は、どんな人でも一度や二度は経験があるはずです。飲みすぎや夜更かしなど、自覚のある原因がある場合ならば問題はありません。しかし、しっかりと寝ているにも関わらず「寝起きがだるい」と感じているならば、睡眠自体に何らかの問題を抱えている可能性があります。その原因を見つけ、具体的な対策を実行すべきでしょう。

たとえ睡眠不足であっても、寝起きさえ良ければ、一日を活発に過ごすことができます。逆に、たとえ十分に寝ていたとしても、寝起きがだるければ、一日中だるさをひきずってしまうこともあります。

爽快な目覚めは、その日一日を精力的に過ごすための大事なポイント。日中の活動のクオリティを高めるためにも、確実に睡眠の問題を解決していきましょう。

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寝起きがだるい
という悩みの主な原因は
睡眠の質

Cause

レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルに問題がなく、かつ1日7~8時間程度寝ることができているならば、通常、「寝起きがだるい」と感じることはありません。それにも関わらず寝起きのだるさを感じているならば、何らかの理由で睡眠の質が低下している可能性が考えられます。

では、睡眠の質が低下する典型的な原因を見てみましょう。

睡眠中に脳が酸欠を起こしている

いびきをかく人、睡眠中に一時的に呼吸が止まる人(睡眠時無呼吸症候群)は、睡眠中、脳が酸欠を起こしている可能性があります。

脳が健やかに休息をとるためには、脳への十分な酸素の供給が必要です。いびきや一時的な呼吸停止により脳が酸欠を起こすと、脳は一日の疲れを十分に解消させることはできません。すなわち、起床時に「だるい」と感じてしまう大きな要因となります。

睡眠中に血液が消化器官に集まっている

寝る前に食事をとったりアルコールを過剰に摂取したりすると、睡眠中、その消化活動のために血液は胃や腸に多く集まります。

血液が持つ最も重要な役割は、必要な部分に酸素を運搬すること。睡眠中に消化器官に血液が偏ってしまっては、脳が血液不足(=酸素不足)を起こしてしまいます。つまり、いびきや睡眠時無呼吸症候群の例と同様の理由で寝起きのだるさが生じる、ということです。

寝具が合っていない

実に単純な理由ですが、睡眠の質を低下させる非常に大きな理由が、寝具。特に枕が体型に合っていない場合には、睡眠中に何度も寝返りを打つなどして眠りが浅くなり、良質の睡眠が得られません。合わない枕の使用で気道に不自然な圧迫が生じ、酸欠を起こすことで睡眠の質を低下させることもあります。

枕が原因である可能性を否定できない方は、一度、寝具の専門店に相談に行ってみたほうが良いかもしれません。枕選びの専門資格があることからも分かる通り、枕は良質の睡眠にとって非常に重要なアイテムです。

生活習慣が不規則

たとえば朝顔は、朝日が昇ると花を開きます。あるいは、夜になると葉を閉じるエバーフレッシュという植物もあります。そして、あらゆる植物と同じように、動物の体内にも、地球の動きに合わせた規則性ある機能が備わっています。それが、体内時計と呼ばれるものです。

人は本来、夜になれば眠くなり、朝になれば目が覚めるという体内時計を有しています。ところが生活習慣が不規則な人の場合、この体内時計の機能が狂ってしまうことも。結果、夜間に布団に入っても眠れなかったり、眠れたとしても質が悪かったりなどし、寝起きにだるさを感じることがあります。

自律神経のバランスが乱れている

自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、日中の活動的な時間帯に活発になる神経系で、副交感神経とは、夜間などのリラックスしている時間帯に活発になる神経系です。

これら自律神経がバランスを崩し、たとえば夜間に交感神経が活発になってしまった場合、良質の睡眠を得ることはできません。ホルモン分泌の異常や、寝る前の激しい運動、日中の疲労などが原因で自律神経が乱れてしまうことがあります。

なお、昔から「低血圧の人は寝起きがだるい」という俗説がありますが、低血圧と寝起きのだるさとの間に、直接的な関連はありません。低血圧の場合、寝起きではなく、むしろ日中にだるさを感じる場合がほとんどです。

低血圧で、かつ寝起きが悪い・だるい人は、血圧とは異なる別の理由がある可能性が高いため、改めて自身の生活習慣等を確認してみましょう。

睡眠の質を上げて寝起きのだるさを改善させる方法

睡眠の質が低下する原因の中には、自分の力では解決が難しいものも含まれています。たとえば、いびきが原因で良質の睡眠が妨げられている場合、そもそも自分がいびきをかいていることを自覚しなければなりません。しかし、いびきの自覚があったとしても、どのようにして解決すれば良いのかも分かりませんね。解決方法が分からい原因については、医療機関などを受診するしかないでしょう。

一方で、自分の意識次第で解消できる原因もあります。枕を変えたり、寝る直前の食事を控えたりすることは、本人の意志があれば実行可能です。

以下、睡眠の質を高めるためにやるべきことを列挙してみました。寝起きがだるいと感じている方は、可能な項目から順に、ぜひ実行してみてください。

枕を変えてみる

寝起きがだるいと感じている人が真っ先に取り組むべきは、実に単純ですが、枕を変えてみることです。自己判断で枕を選ぶのではなく、ピローアドバイザーなどの資格を持つ専門家のアドバイスを参考にし、最適な枕を選んでください。枕を変えるだけで睡眠の問題が解消する人は、非常に多いとされています。

寝る直前に食事や深酒をしない

すでに説明した通り、寝る前に食事をしたり深酒をしたりすると、睡眠中に血液が消化器官に偏ってしまい、脳が酸欠を起こして睡眠の質が下がります。食事は、遅くとも寝る2時間前には済ませておいてください。

また、アルコールについては適量の寝酒であれば問題ありません。ただし過剰なアルコール摂取は、入眠には良い作用をもたらすものの、睡眠の質を低下させます。特別な日を除いて深酒は避けるようにしてください。

寝る直前にスマホやパソコンを閲覧しない

スマホやパソコンの画面からは、私たちの目に見えないブルーライトという光が放たれています。このブルーライトには、スムーズな入眠を妨げたり、睡眠の質を低下させたりする作用があるとされています。よって入眠直前に、スマホやパソコンの画面を閲覧すべきではありません。

寝る前、布団に入ってからスマホで動画を閲覧したり、知人とメッセージのやりとりをしたりする習慣のある人もいるでしょう。画面を見る必要がある人は、寝る直前ではなく、早めの時間帯に用事を済ませておいてください。

眠くない時は無理に寝ようとしない

たくさん寝なければならないという思いから、眠くもないのに早めに布団に入る人もいます。そのままスムーズに寝られれば問題はないのですが、中には、かえって寝つきが悪くなってしまう人もいるので注意してください。

眠くない時には無理に寝ようとしないことも、睡眠の質を高める一つの方法であることを理解しておきましょう。

夕方に仮眠をとらない

良質の睡眠をとるためには、最低でも7時間以上の連続覚醒が必要です。よって、たとえ数分であれ夕方に仮眠をとってしまった場合、寝つきが悪くなるばかりでなく、睡眠の質自体が低下します。

昼食後の仮眠は問題ありませんが、夕方の仮眠は避けるようにしましょう。

朝は朝日を浴びる

睡眠のリズムを整えるためには、就寝時間をパターン化するよりも、起床時間をパターン化したほうが効果的です。たとえ就寝時間が遅くなってしまったとしても、起床時間を毎日一定にしてください。加えて、毎朝同じ時間に朝日を全身に浴びることで、体内時計は正常なリズムを取り戻していくはずです。

睡眠に良いとされる成分を摂ってみる

昨今、通販サイトなどでは「睡眠サプリ」と呼ばれる商品が販売されています。中には配合成分の作用が疑わしい商品も混在していますが、一方で、臨床試験を通じ睡眠サポート作用が確認されたものも存在します。

睡眠薬とは異なり、睡眠サプリには副作用がありません。信頼できる商品を見つけることができたならば、睡眠サポート成分を安心して摂取できるかもしれません。

医療機関を受診する

自身での対策で寝起きのだるさが解消されない場合、何らかの病的な原因で睡眠障害を起こしている可能性があります。代表的な例が、睡眠時無呼吸症候群です。

自分の意識や努力で解決できない睡眠障害の場合、医療機関の力を借りるしか方法はありません。睡眠外来などをリサーチし、信頼できる医療機関を受診してみましょう。

睡眠の質を高めて寝起きのだるさを解消?テアニンの作用とは

様々な機能性食品の研究開発で有名な太陽化学株式会社は、睡眠の質を高める可能性がある成分として、テアニンの研究に取り組んできました。テアニンとは、緑茶に含まれるアミノ酸の一種。緑茶を深遠な味わいにしている旨味成分としても知られています。同社が解明した、テアニンに対する睡眠のサポート作用について見ていきましょう。

太陽化学株式会社におけるテアニンの臨床試験

テアニンが良質の睡眠をサポートすると予測した太陽化学株式会社は、22名の被験者を対象に、テアニンが持つ睡眠へのサポート作用について臨床試験を行ないました。

被験者全員に対しては、「テアニンには睡眠をサポートする作用がある」「全員に毎日テアニンを摂取してから床に就いてもらう」と伝えています。一方、被験者に対し、実際には「本物のテアニン」と「偽物のテアニン(プラセボ)」をランダムに手渡しています。科学的な臨床試験においては、その成分の本当の効果を知るために、プラセボを交える手法が一般的です。

臨床試験の結果、本物のテアニンを摂取した場合と、本物と思い込みつつ実際にはプラセボを摂取した場合とを比べ、明らかに前者のほうが睡眠の質を高めていることが確認されました。具体的には「寝つきが良くなった」「いつもよりも睡眠時間が長くなった」「睡眠中に中途覚醒する回数が減った」「翌日に疲れが残っていなかった」などの点において、科学的に有意な差がみられています[注1][注2][注3]。

寝起きがだるいと感じる方にテアニンの摂取を推奨

寝起きがだるいと感じる背景には、寝不足のみならず、睡眠の質の低下もあると考えられます。よって睡眠の質を上げるために、何らかの睡眠サプリを試してみるのも良いかも知れません。

ただし、すでに通販サイトやドラッグストアなどでチェック済みの人はお分かりの通り、睡眠サプリには非常に多くの種類の商品が用意されています。加えて、配合されている成分も多岐に渡ります。いずれかの商品があなたの体質にマッチする可能性はありますが、商品を1つ1つ試していては、時間も費用も無駄になる可能性があるでしょう。

睡眠サプリを検討中の方は、科学的な臨床試験で作用が確認された商品から順に試していくことが順当。まずはテアニンを配合した睡眠サプリを試し、その作用を体感できるかどうか確認してみると良いのではないでしょうか?

寝起きがだるい場合に考えられる病気

寝起きがだるい、つまり休息を取っても疲労感が抜けないという状態は、単に原因が寝不足にあるだけではなく、何らかの病気が原因になって生じていることもあります。具体的には次のような病気が原因となり、寝起きがだるい症状を引き起こすことがあります。

老廃物の蓄積

感染症、または何らかの原因による慢性的な炎症性疾患が原因で体内に老廃物が蓄積すると、常に疲労感を覚える状態になることがあります。

低酸素状態

貧血によるヘモグロビン量の減少、または心疾患や肺疾患などが原因で、脳を始め全身が低酸素状態となり、慢性的な疲労感を覚えることがあります。

慢性疲労症候群

常に重い疲労感を自覚している病気のことを、慢性疲労症候群(CFS)と言います。詐病や疲労感の誇張表現とは異なり、身体的な病気です。特定の原因が明らかにされた訳ではありませんが、患者には、脳の炎症や免疫機能・自律神経機能などの異常が確認されています。2012年に行われた調査によると、日本国民の0.3%に慢性疲労症候群が見られるとされています。

低血圧

すぐに疲れて横になりたくなったり、やる気があるのに体がだるくなったりするのは、低血圧の患者に見られる典型的な症状です。

内分泌ホルモンの乱れ

更年期障害、糖尿病、甲状腺機能低下など、内分泌系ホルモンの乱調が原因で慢性的な疲労感、だるさを覚えることがあります。

薬物中毒

アルコール中毒を含め、薬物中毒を患っている患者は、対象となる薬物が体から抜けたとき、著しい疲労感やだるさを覚えることがあります。

睡眠時無呼吸症候群

当ページの前半で触れた通り、睡眠時無呼吸症候群による睡眠中の脳酸欠が原因で、寝起きがだるいと感じられることがあります。

うつ病

「体がだるい」という自覚症状の原因の第一は睡眠障害。原因の第二位は、うつ病と言われています。うつ病患者の54~92%に、疲労感・倦怠感の自覚があるとの報告もあります。

十分に睡眠をとっても体からだるさが抜けない場合には、以上の病気が隠れている可能性があります。心当たりのある方は、速やかに内科や心療内科を受診するようにしてください。

【まとめ】寝起きがだるいと感じている方へ

寝起きがだるいという症状は、大なり小なり、誰でも経験したことがあるでしょう。一過性の症状であれば問題はないのですが、慢性化してしまった場合には、仕事やプライベートに著しい障害をもたらします。毎日のように寝起きのだるさを感じている人は、早急に何らかの対策を実行したほうが良いでしょう。

寝起きのだるさの原因の大半は、睡眠の質にあります。なぜ睡眠の質が低下しているのかを客観的に考え、ここで挙げた対策のうち、可能なものを順次実践してみてください。多くの人の場合は、これらを実践することで睡眠の悩みが解消することでしょう。爽快に目覚められる毎日が来ることを信じ、改善に努めていきましょう。