Desk work

デスクワークによる疲れ

デスクワークの疲れをすっきり解消しましょう

デスクワークは、肉体労働ではありません。それにも関わらず、デスクワークを仕事としている大半の女性は、日々、疲労を蓄積させています。ここでは、デスクワークによる疲れ・不調にお悩みの方に対し、有効と考えられる方法をご紹介しています。

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寝てもなかなかとれない
デスクワークによる疲労

Hard to heal

疲労が目・肩・腰に蓄積

今や、パソコンを使ったデスクワークは幅広い業種において必須となっています。毎日パソコンのモニターを長時間見つめ、一生懸命キーボードを叩いている女性も大勢いる事でしょう。

そんなデスクワークの疲れは目・肩・腰などに蓄積し、日々の睡眠だけではなかなか癒すことが難しいものです。そんなデスクワークの疲れについて詳しくチェックしていきましょう。

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デスクワークは疲れる!
数字が示す実態とは?

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もちろん女性でも、肉体を中心に仕事をしている方は大勢います。その一方で、仕事の大半がデスクワークという女性も非常に多いことが事実。

肉体労働をメインに行なっている女性から見れば、「デスクワーク中心だったら体力を使うことも少ないし、あまり疲れないのでは?」と思うかも知れません。しかしながら実態は、かならずしもそうではありません。

デスクワークをしている女性の約88%が疲れを感じている

日経ウーマンオンラインは、383人の女性に対し「デスクワークで慢性的に疲れや心身の不調を感じていますか?」というアンケートを取りました。結果は以下の通りです。

  • 非常に感じる…42.3%
  • やや感じる…45.7%
  • あまり感じない…9.4%
  • まったく感じない…1.6%
  • デスクワークはない…1.0%

回答した女性のうち、実に88%もの女性が、デスクワークを原因とした疲労や何らかの不調を実感している、という事実が浮き彫りとなるアンケートでした。中には「肉体を使う仕事をしている時よりも、デスクワークをしている時のほうが疲れを感じる」と回答した女性もいます[注1]。

デスクワークは体にも心にも疲労をもたらす

次いで、先のアンケート回答者に対し「デスクワークを通じて、どのような疲労・不調を感じますか?」という質問も実施。結果を一部抜粋します。

  • 肩こり…82.8%
  • 首の痛み…54.0%
  • 腰痛…47.5%
  • 眠くなる…37.7%
  • 冷え…36.2%
  • 集中力が落ちる…33.2%
  • 頭痛・めまい…32.9%
  • 背中の痛み…32.9%
  • 目の渇き・疲れ…8.3%

肩こりが82.8%と、ダントツの1位。首や腰、背中などの痛みを訴える人も少なくありません。一方で、睡魔や集中力の低下などを自覚している人も多いようです。デスクワークは、体にも心にも疲労と不調をもたらすようですね[注2]。

デスクワーク中心の女性は、肉体労働とは違ったタイプの疲労を蓄積させていることが、上記のデータから推察できます。

もしあなたがデスクワーク中心の仕事に従事していて、なおかつ説明しがたい様々な疲労を蓄積させているならば、それは決して珍しいことではないことを理解しましょう。きっと、他の女性も、あなたと同じような疲労感に悩まされているはずです。

あわせて、これだけの比率の女性が疲労・不調を感じている以上、何らかの対策が急務であることを、改めて意識しておきましょう。

疲労の原因は活性酸素?注目の産学共同学説とは

それほど肉体を酷使しているようには見えないデスクワーク。では、なぜこれほど多くの女性が、デスクワークを原因とする疲労感・不調を覚えているのでしょうか?

実は、その原因やメカニズムは、いまだに明確には解明されていません。国内外で、様々な疲労の原因説が唱えられているのが現状です。

そのような中、昨今、非常に注目されている学説が、活性酸素に根拠を置く理論。大阪市立大学、大阪市、食品・医薬品メーカーなどの産学共同研究によって提唱されています[注2]。

活性酸素とは?

大気を構成する気体の約21%は酸素。私たち人間は、この酸素を吸い込むことで生命を維持しています。

ところが酸素の中には、とても不安定な構造を持つものも存在。この不安定な酸素が体内の様々な物質と反応することで、活性酸素という物質に変化していきます。

活性酸素は、体内で有効な働きをする一方で、多くの細胞を傷つけてしまう原因物質にもなります。活性酸素による細胞損傷の典型的な例が、老化です。人間の老化は、活性酸素の働きが中心となって現れる現象です。

他にも活性酸素は、動脈硬化、癌、脳卒中など、様々な病気の原因に絡んでいることが分かっています。

細胞から脳へ送られるシグナルが疲労の原因

大阪市立大学などの共同研究チームは、人が疲労を感じる原因を、細胞から脳へ送られるシグナルである、との仮説を立てました。活性酸素によって傷つけられた細胞が脳に対し「私たち、パフォーマンスが低下していますよ」とメッセージを送っているために脳は疲労を感じている、との仮説です。

同研究チームによると、活性酸素による細胞の損傷は、肉体を酷使した際でも、精神を酷使した際でも、同様に発生する現象とのこと。一般に、肉体疲労と精神疲労は別々のものと考えられていますが、同研究チームは「同じもの」と考えました。

肉体を酷使した時に感じる疲労は、誰でも経験しています。一方で、肉体を酷使していない時に感じる疲労は、言わば、本人の怠慢のような扱いを受けることもあります。

活性酸素による細胞の損傷が疲労の原因であるならば、何時間も同じ場所で神経を使いながら行なうデスクワークは、明らかな疲労原因と言うことができるでしょう。

「隠れ疲労」が過労死をも招く

先で紹介した日経ウーマンオンラインのアンケートを、改めて確認してみてください。

疲労を感じている女性の比率が全体の88%であったことに対し、疲労をほとんど、あるいは全く感じていない女性の比率は全体の11%でした。特に怖いのは、この11%に属する人かも知れません。

仕事への意欲が強い人、高い達成感を求める人、責任感の強い人の脳は、活性酸素によって傷付いた細胞から送られるシグナルを感じにくくなってしまうとされています。疲労を感じにくくなった人に蓄積している疲労が「隠れ疲労」。同研究チームの梶本代表は、この「隠れ疲労」が過労死などの要因にもなるとして、強く警鐘を鳴らしています。

職場でできる疲労回復法と自宅でできる疲労回復法

デスクワークを原因とする疲労を回復するために、2人の専門家が推奨する方法を見てみましょう。

仕事中に疲労回復を図るにためはストレッチ

医学博士・健康科学アドバイザーとして活躍する福田千晶氏は、デスクワーク中に疲労を感じた際の対策の一つとして、ストレッチを推奨しています。氏が紹介するストレッチの方法は、以下の通りです[注3]。

 

背中のストレッチ
  1. 両手を胸の前で組む
  2. そのまま、まっすぐ両手を前方へ伸ばす
  3. 背中を丸めてヘソを見るような姿勢を維持する

もし、今これをできる環境ならば、すぐに試してみてください。背中の筋肉が伸ばされるとともに、全身に血液が行き渡るような爽快感を得ることができます。脳もリフレッシュされることでしょう。

腰のストレッチ
  1. 腰を伸ばすようにして姿勢を正す
  2. 椅子の背もたれに手をかける
  3. 左右に体をひねる

こちらのストレッチもまた、腰や骨盤がリフレッシュした感覚となり、実に爽快です。ぜひお試しください。

なお、ストレッチの効果や適性には個人差があります。筋や骨を傷めることのないよう、無理をせず「気持ち良い」と感じる程度に抑えておきましょう。

以上のストレッチ運動に加え、職場でできる疲労回復の方法として、福田氏は首筋のマッサージも紹介しています。

首筋のマッサージ
  1. 両手のすべての指を後頭部に立てるようにあてる
  2. そのまま2本の親指で首筋を移動するようにマッサージする

後頭部から首筋にかけては、脳を活性化させるツボがあることでも知られています。マッサージをすることで、デスクワークの効率が上がっていくことが期待できます。

帰宅後に疲労回復を図るためには良質の睡眠

仕事中のストレッチやマッサージは、肉体の疲労回復に効果的ではあるものの、言わば対症療法の類。デスクワークによって蓄積した疲労を根本的に解消させるためには、在宅中に本格的な対策を打つことが必要です。

先に紹介した大阪市立大学らの研究グループの梶本代表は、疲労を回復させる最も有効な方法として、良質かつ十分な睡眠を推奨しています。

睡眠中の十分な呼吸確保が良質の睡眠のポイント

梶本代表は、良質の睡眠を妨げる最大の要因として、睡眠中の酸素不足を挙げています。睡眠中に酸素が不足する主な理由は、いびきです。

いびきとは、睡眠中に生じる症状。よって本人がいびきを自覚することは、ほとんどできません。起床後に十分な疲労回復を実感できない人は、睡眠中にいびきをかいている可能性があるので、具体的な対策を考えてみるべきでしょう。

いびきをかかない姿勢で寝る

いびきは、多くの場合、仰向けになって寝ている時に生じます。仰向けに寝ると、重力によって気道が圧迫されるからです。

逆に、横向きで寝ている時には気道が確保されるため、通常、いびきをかくことはありません。寝ている時に横向きを維持することは難しいかも知れませんが、就寝中に仰向けで寝ていることに気付くたびに、姿勢を横向きにしてみるだけでも、一晩での脳への酸素供給量は全く違います。ぜひ実践してみてください。

なお、横向き寝を維持する方法としては、抱き枕が有効とされています。また、横向きを維持するために、タオルなどを詰め込んだリュックを背負って就寝する人もいるようです。参考にしてみましょう。

いびきの延長上には、いわゆる睡眠時無呼吸症候群があります。このレベルになると、日中に耐えがたい眠気に襲われたり、実際に寝てしまったりすることがあります。医療機関の睡眠外来を受診してみましょう。

いびきをかかなくても良質の睡眠をとれない人がいる

他人からいびきを指摘されたことがないにも関わらず、起床後、十分に疲労が回復していないと感じられる場合には、他の何らかの理由による睡眠障害を有していると考えられます。

寝つきが悪い人や、就寝中に何度も目覚めてしまう人などは、いびき対策とは異なる角度からのアプローチが必要となるかも知れません。

良質の睡眠が期待できるテアニン

機能性食品の研究開発で知られる太陽化学株式会社(三重県四日市市)は、睡眠に何らかの障害を持つ人に対し、テアニンという物質の摂取を推奨しています。テアニンとは、緑茶に含まれる旨味成分として知られる物質です。

テアニンと快眠に関する臨床試験

同社では、健康な22名の被験者に対し、就寝前にテアニンを摂取した場合の睡眠の質に関する臨床試験を行ないました。プラセボのグループ(テアニンと思い込みながら偽の錠剤を摂取するグループ)と比較し、本物のテアニンを摂取したグループに何らかの変化があるかどうかを確認する試験です。

試験の結果、プラセボのグループに比べ、本物のテアニンを摂取したグループにおいて「寝つきが良くなった」「睡眠中に目覚める回数が減った」「睡眠時間が長くなった」「疲れが取れた」と回答した人が有意に増加。テアニンによる睡眠へ貢献が、科学的に証明された形でした。

デスクワークの疲れが取れない人はテアニンの摂取を

睡眠の質を高めるとされる、いわゆる睡眠サプリには、様々な商品があります。いずれの商品も、人によっては何らかの効果が期待できるものかも知れません。

ただし、どの商品が自分の体質に適しているかは、飲んでみなければ分からないことも事実。無数にある商品の中から、一つ一つ試していくのは気の遠くなる話です。

ご紹介したように、テアニンは臨床試験を通じて科学的に「睡眠への作用」が確認された成分。睡眠に何らかの障害があると自覚している方はもちろん、十分に寝ているつもりなのに毎日のデスクワークの疲れが取れないという人は、ぜひテアニンが配合された睡眠サプリを試してみてください。

【まとめ】デスクワークの疲れが取れない方へ

デスクワークを仕事とする女性の88%は、疲労を始めとして何らかの不調を自覚していることが分かりました。あなただけに特有の症状ではないことを、まずは理解してください。

デスクワークの疲れを取る方法は2つ。1つ目が、仕事中に適宜ストレッチをすること。2つ目が、良質の睡眠を十分に取ることです。

良質の睡眠を得られないと自覚している方は、いびきによる脳の酸欠を生じているかも知れません。横向きに寝るなどの工夫をしてみましょう。

また、他人からいびきを指摘されたことがない人は、他の理由による睡眠障害を起こしている可能性があります。良質の睡眠を誘導することが科学的に証明されたテアニンという物質を、就寝前に摂取してみることをおすすめします。