睡眠の質の低下は生活習慣病の原因に!

lifestyle disease

生活習慣や労働環境の変化に伴って、睡眠障害が増加していると言われています。また、睡眠障害はそれ自体が、肥満や糖尿病などの生活習慣病や、うつ病のような精神疾患の一因とも考えられています。

生活習慣の変化が
睡眠障害を増やした?

Lifestyle changes

時代の変化と共に働き方や暮らし方が多様化したことで、生活習慣や労働環境も変化した結果、睡眠時間の不足や不眠などの睡眠障害に悩んでいる現代人は少なくありません。
実際、NHKが5年ごとに実施している国民生活調査によれば、夜10時台に眠りに就く人は、1960年では約70%であったものの、1995年には20%にまで激減しています。加えて平均睡眠時間も、1970年では7時間57分あったのに対し、2005年では7時間22分まで減少しています。
これらは、時代の流れによって睡眠に大きな影響がもたらされたことを示す証拠とも言えるでしょう。

睡眠障害は生活習慣病の原因になる?

Cause
睡眠の質が死亡率や肥満率を上げる

肥満や高血圧、糖尿病、虚血性心疾患といった生活習慣病の原因には、一般的に飲酒や喫煙、運動不足、食生活の悪化などが挙げられますが、同時に睡眠の質も大きく関連していると考えられています。
そして、睡眠時間は死亡率とも因果関係があるとされており、例えば睡眠時間が平均6~7時間の人では最も死亡率が低くなり、それ以下でもそれ以上でも死亡率は高まるというデータも報告されています。また、肥満率でも同様の変化が見られ、睡眠が体や健康に多大な影響を与えるということは、疑う余地がありません。

睡眠障害は生活習慣病を招く

例えば、人が満腹感を抱く際に分泌される脳内物質や、心拍数の調節に関わる脳内物質などは、睡眠時間の不足によってバランスを崩すと言われています。すると、その結果として体型も肥満化しやすくなり、やがては高血圧や脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病の発症リスクにも影響していくと考えることは自然です。

睡眠障害は精神病のリスクも上げる?

Mental illness

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害によって、うつ病などの精神疾患の発症率が上昇するという報告が、海外の研究機関から為されています。

睡眠障害の末路にはうつ症状が待ち受ける

睡眠障害が改善せずに症状が続いてしまうと、まず日常生活への支障が大きくなります。日中に眠くなり、仕事や家事を効率よくこなすことができなくなる可能性があるでしょう。
その結果、職場においては自身の評価を下げ、昇進や昇給に影響を与えてしまう恐れがあります。あるいは、車の運転や機械の操作をする仕事の場合、ともすると重大な事故を引き起こしかねません。
家庭においては、不完全な家事が要因となり、家庭内不和が生じる可能性もあります。
これらはすべて、言わば眠気が直接的な原因で生じる問題。睡眠障害がさらに長期化すると、眠気による日常生活への支障に加え、視床下部、下垂体、副腎皮質系(HPA系)の機能亢進が活発化し、うつ症状に陥る可能性があると指摘されています。うつ症状を発症してしまうと、仕事も家庭もほとんど手が付かない状況となるでしょう。うつ症状が重症化した場合、自殺願望が生じることがあることも有名な話です。
睡眠障害の末路には精神病が待ち受けているという事実を直視し、睡眠障害を自覚している人は、早い段階で対策を打つよう意識しなければなりません。

最悪の事態になる前に専門医に相談を

睡眠障害を自覚した場合、誰しも、何らかの方法で症状の克服を目指すことでしょう。寝室の環境を変えたり、適度な運動をしたり、入浴で体を温めたりなどです。睡眠グッズや睡眠サプリを利用する人もいることでしょう。
これらの対策によって睡眠障害が改善された場合には、特に大きな問題はありません。しかしながら、さまざまな対策を行っても、なかなか症状が改善しない場合には、速やかに専門医(精神科、心療内科等)を受診すべきです。
睡眠障害は、他のあらゆる病気と同様に、治療を早くスタートさせればさせるほど治りやすい病期と言われます。睡眠障害の慢性化で精神病という末路を迎えないよう、早めに専門医を受診するようにしてください。

参照元

Reference

Jpn J Psychosom Med 51:783-789,2011「生活習慣と睡眠」[pdf]

公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター「睡眠障害」[pdf]

元住吉こころみクリニック「不眠症(睡眠障害)」

厚生労働省「睡眠障害」