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What is insomnia?

どこからが不眠症なの?

そもそも不眠症とはどんなものなのか

私たちの多くは、眠れない=不眠症と考えてしまいがちです。しかし、睡眠のお悩み全部が、果たして不眠症に当てはまるのでしょうか?ここでは、不眠症状のどこからを不眠症というのか、学術的なポイントからその定義を解説していきます。

日本睡眠学会が定義する「不眠症」とは

不眠症と認定される睡眠障害の定義

日本睡眠学会による「不眠症」の定義は、入眠まで2時間以上かかる入眠障害夜中に2回以上目が覚める中間覚醒起床時に睡眠が不十分と感じる熟眠障害普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまう早期覚醒といった症状が、週2回以上少なくとも1ヶ月間は持続していることとされています。そして同時に、不眠により自らが苦痛を感じ、日常生活や仕事に悪影響が出ていることも、不眠症であると認められる条件となっています。ストレスなどで一時的に眠れない状態は、生理学的反応性の不眠で、不眠症とは言わないそうです。

一般的な
「不眠症」の診断基準は?

Standard

不眠症の基本的な3つの診断基準

不眠症を診断するのには、国際的に認められている基本的な診断基準が採用されています。不眠症の一般的な診断基準は、

  • 不眠の訴え
    (入眠困難・中途覚醒・早期覚醒・熟眠障害が続くなど)
  • 外的要因の除外
    (眠る環境や機会が適切であるのにAの不眠症状がある)
  • 日中の障害
    (夜間睡眠の障害に関連し、倦怠感や集中力の低下、日中の眠気、やる気の低下など、日中に障害をもたらしている)

以上の3項目となっています。ご自分の不眠症状がこれらすべてに当てはまっている場合、その方の睡眠のお悩みは、不眠症であると診断できると考えられます。そうした場合、自ら睡眠のための対策を行うことも大切ですが、早めに専門のクリニックを受診し、医師の指導のもと治療を開始されることをオススメします。

定義や診断基準を満たさなければ不眠症とは言えないの?

上記でご紹介した「定義」や「診断基準」を全て満たさなくても、不眠症に近い「かくれ不眠」であるかもしれません。それでは、どんなものが「かくれ不眠」と言えるのかをご紹介しましょう。

こんな症状があれば、
実は「不眠症」かも

Insomnia
check!

不眠症に限りなく近い「かくれ不眠」とは

「かくれ不眠」とは、不眠症の定義に当てはまらなくとも、不眠症に限りなく近い状態のことを指す、睡眠の専門家によって命名された呼称です。慢性的な不眠ではなく、専門的な治療を必要としないが、睡眠に不満があり日常生活にも影響があるのが「かくれ不眠」の特徴。
睡眠の専門家が集まる組織「睡眠改善委員会」が4万人を対象に調査では、20代~40代の約8割がこの「かくれ不眠」に該当することが判明しました。しかし、毎日症状があるわけではないので、そのほとんどの方があまり気にしていなかったようです。とはいえ、不眠は健康を損なう危険な症状。下記のような状態が一つでも思い当たったら、自分の睡眠を見直す必要があります。

生活習慣に問題がある

Living habit

かくれ不眠の要因①・生活スタイルの問題

睡眠改善委員会が警鐘する「かくれ不眠」には、いくつかの要因が挙げられています。その一つが「生活スタイルの問題」です。私たちの体は、体内時計のリズムによって体温や血圧、ホルモン分泌、自律神経の活動などが調整され、規則正しく働いています。ところが、不規則な生活習慣で寝る時間が毎日バラバラな人は、体内リズムが崩れ結果として自然で質の良い睡眠をとりにくくなっているのです。
また、休日には平日眠る時間が少ない事を挽回しようと、「寝だめ」をする人もいますがこれはあまりオススメできない行動です。「寝だめ」によって、かえってリズムを崩し、さらに睡眠を悪くする危険性が考えられるからです。

軽い不眠の症状がある

The symptom

かくれ不眠の要因②・軽い不眠症状

次にかくれ不眠の要因に挙げられているのが、軽い不眠症状があることです。この軽い不眠症状がある人に多く見られるのが、寝床に入って1時間以上経っても寝付けない「入眠困難」という症状です。いつものこととして、この寝付きの悪い状態を放置しておくと、睡眠と覚醒のタイミングがどんどんずれて、体内リズムもどんどん乱れていきます。それだけではなく、「また眠れないかも」というストレスがかかるようになり、睡眠の質がさらに悪化して不眠症へと移行してしまうことも。
また、夜中に何度か目が覚める「中途覚醒」や早く目が覚めたりすると眠れなくなる「早期覚醒」の症状も同様のことが言えます。

社会生活に影響がある

Social life

かくれ不眠の要因③・社会生活への影響

日中に我慢できない眠気がある、集中力がなくイライラしやすい、あまりやる気が出ないといった起きている時に感じる不調も、不眠が関係しています。日中の強い眠気は、夜の睡眠が十分に取れていないと考えられますし、やる気や集中力の低下は、睡眠不足で脳が疲労していると考えられます。
また、睡眠不足になると感情面のコントロールが上手くいかなくなりますので、ちょっとしたことでもイライラしやすくなるとされています。これらの症状が悪化してしまうと、仕事や家事など社会生活へも大きな影響を及ぼすようになってしまいます。

睡眠に対する関心が薄い

Indifferent

かくれ不眠の要因④・睡眠への関心が薄い

かくれ不眠とされる人に特徴的なのが、自分の睡眠への関心が薄いということです。現代社会では24時間営業のコンビニやインターネットの普及など、1日中動き回れる環境となっています。そのため、夜に睡眠をとると言うことに強い関心がなく、「自分は眠らなくても大丈夫」「眠れないのは異常ではない」などと思っている方は少なくないそうです。また、仕事が忙しいと寝ないで頑張る人も多く、そういった方は責任感が強い分ストレスをためやすく、脳と体の緊張がいつまでも続いてしまう傾向にあります。睡眠を軽視するこれらの考え方は、重大な睡眠障害になる危険性が高く、心身の健康を大きく損なう事にも繋がってしまいます。

 
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何らかの問題や症状がある方は
放置せず対策を

Step

かくれ不眠は放置せずに改善対策を

かくれ不眠の症状は、本格的な不眠症に比べると、まだ不眠症状は軽い方だと言えます。切羽詰まっていないだけに、根拠なく「大丈夫」と思ってしまい、なんの改善策もとらず放置している人がほとんどだそうです。

しかし、少しでも症状が出ると言うことは、体から体調の異変を訴えるサインが出ているということなのです。放置すれば重症化していき改善が難しくなりますので、早めの対策が求められます。